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流動性

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3.1 流動性

品質管理用としては測定の容易なメルトインデックスがよく使用されますが、材料の流動性の指標としては溶融粘度特性の方が適しています。また、射出成形の実用的な流動性としては棒流動長L/t (流動長/厚み)が役に立ちます。

(1) 溶融粘度特性

キャピラリーレオメーターを用いて測定した、ジュラネックス® PBT 3300のせん断速度と溶融粘度との関係を図3-1に示します。この関係はランナー設計、キャビティ内流動の検討を行うための基本的なデータです。また、ジュラネックス2000、3300の溶融粘度と温度との関係を図3-2に示します。

3300はジュラコン® POM M90と大体同程度の溶融粘度を有しているので、ガラス繊維30%入り材料としては良好な流動性を有しているといえます。

ジュラネックス図3-1ジュラネックス図3-2

(2) 棒流動長

キャビティ内流動は不等温流動であるので、前述の等温流動のデータのみでは正しい評価ができません。また、射出成形における圧力、射出率に相当する剪断速度などを、上述のような測定機器で再現するのは一般には難しいので、射出成形機を用いた流動長測定試験が行なわれています。3300の棒流動長の成形条件依存性の一例を図3-3に示します。

流動性のもう一つのまとめ方としてL/t (流動長/厚み)があります。3300の樹脂温度260℃、射出圧力100MPaでのL/tを図3-4に示します。例えば、厚み0.5mmでは約30mm流れますので、薄肉成形品でもゲート設計を考慮すれば成形の可能性がある事が分かります。

ジュラネックス図3-3ジュラネックス図3-4

 


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