HOME  > 技術紹介 > 成形技術 > ラペロス® LCPの成形技術

成形条件

目次 はじめに 予備乾燥 再生材 成形機選定 金型設計 成形性 成形条件 安全上の注意

 

ラペロス® LCPのグレード一覧へ 当ページのPDF(449KB)

7. 成形条件

7.1 シリンダー温度

一般的なノズル、シリンダ温度は表7-1に示す通りです。シリンダ温度設定は推奨標準となります。成形状態によっては、10~20℃前後の変更が可能です。また、糸引き・鼻たれ防止のために、ノズル温度を10~20℃下げることが可能です。但し、次のことに注意してください。

シリンダ温度を下げる場合 コールドスラッグ、または不充分な可塑化による機械的特性等の低下。
シリンダ温度を上げる場合 滞留時間、長時間滞留により、シリンダ内でゲル化したり、腐食性のガスを発生することは、ほとんどありませんので大きな問題はありませんが、長時間成形を中断する場合はシリンダ温度を下げ、再開の際は数ショットパージするのが良いでしょう。

また、計量不良が発生しましたら、シリンダ温度設定を以下に示すような設定にすることを推奨します。

(例) E130iの場合

(NH) 350℃ - 350℃ - 350℃ - 350℃ (フラット)

(NH) 350℃ - 350℃ - 360℃ - 370℃ (シリンダー後部の温度を上昇させる)

 

表7-1 各グレードの推奨シリンダー温度設定

グレード ノズル 前部 中部 後部 水冷部
Aグレード 290℃~320℃ 290℃~320℃ 280℃~300℃ 270℃~310℃ 80℃
Bグレード 290℃~320℃ 290℃~320℃ 280℃~300℃ 270℃~310℃
Cグレード 330℃~350℃ 330℃~350℃ 320℃~340℃ 310℃~350℃
Dグレード 310℃~330℃ 310℃~330℃ 300℃~330℃ 300℃~340℃
Eiグレード 340℃~365℃ 340℃~365℃ 340℃~360℃ 330℃~370℃
GA/HAグレード 350℃~370℃ 360℃~380℃ 330℃~350℃ 315℃~335℃
Sグレード 355℃~370℃ 355℃~370℃ 350℃~380℃ 350℃~390℃
Tグレード 370℃~380℃ 370℃~380℃ 370℃~390℃ 360℃~400℃

 

7.2 金型温度

ラペロス® LCPは一般に50℃~120℃の範囲で金型温度を設定することを推奨します。通常、金型温度は50℃で問題ありませんが、表面粗度・光沢などの外観上問題があるようであれば、高温を推奨します。

 

7.3 可塑化

スクリュー回転数は100rpm程度が一般的ですが、サイクルUPや計量安定性を図るために、高回転を使用されることは問題ありません。また背圧は鼻たれ防止および繊維の折損防止の見地より、0MPa~2MPa程度に設定することを推奨します。

 

7.4 射出圧力と射出速度

ラペロスはどのグレードも溶融粘度が大変低く、従って一般の熱可塑性樹脂よりもずっと低い圧力で成形できるのが普通です。大抵の成形品は15MPaから45MPa程度の樹脂圧で成形できます。またラペロスは固化速度が速いため一般には射出速度は速い方が良い結果が得られます。

 

7.5 成形機の停止、開始および材料の切り替え

(1) 成形停止時

パージングは使用しているラペロスの成形時のシリンダ温度を維持し、ラペロスをパージングした後に、ラペロスと同様の成形温度でかつ熱安定性の良好な樹脂(一例としてガラス繊維入りポリカーボネートまたは高密度ポリエチレン、市販されているアクリル系のパージ材)でパージングすることをお勧めします。また、引き続きラペロスを成形する場合にはラペロスのみのパージングも可能です。

 

(2) 成形開始時

シリンダ内の樹脂がラペロス成形温度領域で安定な樹脂であるならばそのままラペロスの成形温度まで昇温して、ラペロスでパージングを行ってかまいません。ただし、ラペロスは溶融粘度が非常に低いために、シリンダ内に残留している樹脂を完全にパージングしにくい面がありますので、パージングを十分に行う必要があります。有効にパージングを行う方法として、初めにガラス繊維入りポリカーボネートでパージングした後に、ラペロスでパージングすることにより、パージングが容易になります。

ラペロスと成形温度領域の異なる樹脂の場合には、シリンダに残留している樹脂の成形温度にシリンダ温度を変えた後に、ラペロスと残留している樹脂両方の成形温度で使用可能な樹脂でかつ熱安定性の良好な樹脂(一例としてガラス繊維入りポリカーボネートまたは高密度ポリエチレン、市販されているアクリル系のパージ材)でパージングし、その後にラペロスの成形温度に設定し、先記のラペロスの成形温度領域で安定な樹脂の場合と同様にパージングすることをお勧めします。

シリンダ内の樹脂がラペロスの場合には、一般にはそのままラペロスの成形温度まで昇温して、ラペロスでパージングを行ってかまいません。ただし、ラペロスの成形温度領域はグレードごとに異なっていますので、使用温度領域のご確認をお願いします。ラペロスでも使用温度が異なる場合には先記の成形温度領域の異なる樹脂にしたがってパージングして下さい。

 

(3) 樹脂切り替え時

成形の停止と開始の方法を参考に、ラペロスとそのまま置き替えのできる樹脂の場合にはシリンダ温度を維持しながら、そのままパージングを行って下さい。

ラペロスとそのまま置き替えのできない樹脂の場合には、ラペロスと切り替えたい樹脂両方の成形温度で使用可能な樹脂でかつ熱安定性の良好な樹脂(一例としてガラス繊維入りポリカーボネートまたは高密度ポリエチレン、市販されているアクリル系のパージ材)でパージングし、その後に成形温度に設定することをお勧めします。

特にラペロスへの置き替えには関しては、残留樹脂がラペロスより粘度が高い場合には、ラペロスへの置き替えが難しいために、パージングを十分に行う必要があります。

 

(4) その他

ラペロスは、シリンダ内に長期滞留すると劣化し、異物となる場合もありますので、その際には十分なパージングが必要になります。

黒色着色品など濃色材料でなかなか色がぬけきらない場合には、初めにガラス繊維入りポリカーボネートでパージした後、ポリエチレンでパージし、かつ、ガラス繊維入りポリカーボネートとポリエチレンでの交互に繰り返すことをお勧めします。また、シリンダ内のパージ材を完全に出してから、次のパージ材を入れるようにするとより効果的です。

※各パージ樹脂を使用の際は、各パージ樹脂のSDSをご確認いただきご使用ください。

 


目次 はじめに 予備乾燥 再生材 成形機選定 金型設計 成形性 成形条件 安全上の注意