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成形機

目次 はじめに 安全 成形機 成形条件 再生 成形加工 成形品設計 金型設計 不良対策

 

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3. 成形機 

3.1 成形機の選定

ジュラコン® POMの成形には、一般的には市販の成形機が使用されており、特別な仕様の成形機は必要ではありません。また、成形機を選定するときには成形品の1ショットの射出量と投影面積から成形機の大きさを決めることが必要です。すなわち次の2点を目安として選定を行なって下さい。

1ショットの射出量=射出容量×20~80% (できれば30~50%)

型締力 > 成形品の投影面積×50~70MPa

 

3.2 可塑化機構

スクリュ構造としては、樹脂温度分布ができるだけ狭くなる混練のよいものが望ましいわけですが、 ジュラコンの場合は主に汎用スクリュが使用され、一般的にはスクリュ構造まで指定することはありません。スクリュ構造で最も大切なものの一つに逆流防止弁があります。これは保圧工程中に溶融樹脂がホッパ側に逆流することを防ぎ、キャビティに充分圧力をかけるためのものですが、逆流防止が不十分ですと、ひけ、気泡(ボイド)、寸法ばらつき、強度低下などの原因にもなるため注意が必要です。

 

3.3 射出機構

射出機構で問題となるものに、射出率と射出速度のパターンコントロールとがあります。成形品の厚みが薄いときや、細いランナで多数個取りする場合などでは、射出率の大きい成形機が必要になることがありますが、すべての場合に高速射出する必要はありません。成形品の形状によって最適の射出速度があり、例えばフローマーク対策のためにはゲートを通過するときの速度は遅くするほうが良い結果が得られます。

 

3.4 ノズル構造

ノズルにはオープンタイプとバルブタイプとがありますが、ジュラコンは一般にオープンタイプノズルで問題なく成形を行なうことができます。オープンタイプノズルでは、時として鼻たれ現象が問題となりますが、逆テーパノズルやバルブタイプノズルを使用することにより防止することができます。バルブタイプノズルには種々の形式がありますが、射出時にシリンダ内に発生する樹脂圧でバルブが開く機構のものは問題なくジュラコンの成形に使用できます。

 


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