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成形加工特性

目次 はじめに 成形条件の選定 成形加工特性 金型設計 成形不良の原因と対策

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3. 成形加工特性
3.1 流動性
レナタス®は流動性の優れた成形材料です。流動性の評価手法に、射出成形機を用いた流動長測定試験があります。図3-1に、C3030FAの棒流動長の成形条件依存性の一例を示しました。

図3-1.C3030FAの棒流動長(厚み2 mm)と成形条件(樹脂温度や射出圧力)の関係


3.2 成形収縮特性
レナタス® PETは結晶性プラスチックで、ガラス繊維で強化したグレードは、キャビティ内流動によって、ガラス繊維が流れの方向に配向します。その結果、流動方向は、流動直角方向よりも成形収縮率が小さくなり、収縮率に異方性が現れますので、成形品の変形が問題となります。成形品形状、およびゲートの設計が、変形対策上重要といえましょう。また一般に、成形収縮率は成形条件の影響を受けます。図3-2に、成形収縮率の一例を示します。

図3-2.レナタス® PETの成形収縮率の圧力依存性


3.3 再生利用
再生材はバージン材に比べ熱履歴を受けるため分子量は低く、それを多量に混合すると強度低下の原因となります。特に加水分解、熱分解を起こした成形品およびランナーの再生使用は避けてください。

図3-3.再生材混合率と引張強度保持率(CN9030)


表3-1.再生品30%を新ペレットに混入する時の混合品の組成
繰返し再生
回数
新ペレット 再生1回品 再生2回品 再生3回品 再生4回品 再生5回品
(%) (%) (%) (%) (%) (%)
1回 70 30
2回 70 21 9
3回 70 21 6 3
4回 70 21 6 2 0.8
5回 70 21 6 2 0.6 0.2



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