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プラストロン® PP-GFグレードの成形技術
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長繊維強化熱可塑性樹脂 |
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プラストロン® PP-GFグレードの成形技術 |
・材料乾燥 |
一般的な使用において材料乾燥は不要ですが、ガラス繊維はやや吸湿性があるため、80℃、1~2時間程度の予備乾燥をすることをお勧めします。 |
・樹脂温度 |
シリンダー温度の設定可能範囲は200~250℃です。 繊維含有量の高いグレードについては、流動性が悪いため上記設定可能温度範囲内で高めの温度に設定することをお勧めします。 成形機のスクリュー構造や金型構造によって流動性、製品表面外観、バリ発生状況、ガス焼けの状態が異なりますので、状態を観察しながら最適温度を決めます。 |
・金型温度 |
成形可能な温度範囲は40~80℃(実測値)くらいです。外観が要求される場合は金型表面温度を高めにして下さい。金型温度が低い場合は、表面外観が悪くなります。 |
成形温度の設定例 |
グレード |
乾燥時間 |
温度(℃) |
||||||
時間(hr) |
温度(℃) |
ノズル |
前部 |
中部 |
後部 |
樹脂 |
金型 |
|
PP-GF30-01 |
2 |
80 |
220 |
220 |
210 |
200 |
220 |
60 |
PP-GF40-02 |
2 |
80 |
230 |
230 |
220 |
210 |
230 |
60 |
PP-GF50-02 |
2 |
80 |
240 |
240 |
230 |
210 |
240 |
60 |
・スクリュー背圧・回転数 |
通常プラストロン® LFTの成形の場合、長い繊維長による物性面での特徴を生かす為に、背圧は殆どかけない(1~5MPa)設定としますが、製品外観とのバランスを取りたい時には、可塑化時に高めの背圧をかけて下さい。 スクリュー回転数は繊維の折損を考慮して50rpm程度に遅くします。 |
・射出速度 |
通常は繊維の折損を考慮して中速充填の設定とします。 キャビティ内容積の90%程度までは、繊維の浮き出しが無くなるまで速度を上げます。 最終充填領域ではガス焼け、バリ発生防止の為低速充填とします。 高速すぎる場合はせん断の影響により繊維の折損が多くなることがあります。 |
・保圧 |
ひけ等の外観、反り変形を改善する狙いで、バリ等が発生しない範囲で高めに設定します。保圧時間はゲートシール時間より1~2sec長く設定して下さい。 |
・シリンダー内の滞溜 |
基本的な取り扱いとして、長時間に渡るシリンダー内での滞溜は避けて下さい。 目安として、シリンダー温度270℃で20分以上となる場合は、シリンダー内を空にして下さい。 |
・その他 |
パージ物の処理について、パージ物をそのまま放置すると塊内部の熱により炭化あるいは燃焼することがあります。必ず成形機横に水槽を用意して、パージ直後に水中等で冷却するようにして下さい。 |