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プラストロン® PAX-GF(CF)グレードの成形技術
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長繊維強化熱可塑性樹脂 |
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プラストロン® PAX-GF(CF)グレードの成形技術 |
・材料乾燥 |
プラストロン® PAX-GF(CF)グレードは吸湿を防いだ梱包形態をとっております。開封直後であれば特に乾燥する必要はありません。しかし、開封したペレットを放置しますと、乾燥が必要となります。 乾燥は真空乾燥機を使用して、120℃で3時間程度実施してください。 ナチュラル材料の場合90℃以上になりますと、酸化着色しますので注意して下さい。黒色着色材料およびCFグレードの場合は問題ありません。 |
・樹脂温度 |
シリンダー温度の設定可能範囲は240~290℃です。 繊維含有量の高いグレードについては、流動性が悪いため上記設定可能温度範囲内で高めの温度に設定することをお勧めします。 成形機のスクリュー構造や金型構造によって流動性、製品表面外観、バリ発生状況、ガス焼けの状態が異なりますので、状態を観察しながら最適温度を決めます。 |
・金型温度 |
成形可能な温度範囲は120~150℃(実測値)くらいです。金型温度により、特性が大きく変化しますのでこの温度範囲以下にはしないで下さい。 金型温度が低い場合は、表面外観が悪くなり、製品表面に繊維の浮き出しが発生し易くなります。 |
成形温度の設定例 |
グレード |
乾燥時間* |
温度(℃) |
||||||
時間(hr) |
温度(℃) |
ノズル |
前部 |
中部 |
後部 |
樹脂 |
金型 |
|
PAX-GF50-02 |
3 |
120 |
255 |
260 |
260 |
250 |
260 |
130 |
PAX-GF60-02 |
3 |
120 |
260 |
270 |
270 |
260 |
270 |
130 |
PAX-CF40-02 |
3 |
120 |
260 |
270 |
270 |
260 |
270 |
130 |
*真空乾燥機使用時の時間と温度です。 |
・スクリュー背圧・回転数 |
通常プラストロン® LFTの成形の場合、長い繊維長による物性面での特徴を生かす為に、背圧は殆どかけない(1~5MPa)設定としますが、製品外観とのバランスを取りたい時には、可塑化時に高めの背圧をかけて下さい。 スクリュー回転数は繊維の折損を考慮して50rpm程度に遅くします。 |
・射出速度 |
非強化PA樹脂と比べ、プラストロン® PA樹脂は急速に固化しますので、通常は中高速充填の設定とします。 キャビティ内容積の90%程度までは、繊維の浮き出しが無くなるまで速度を上げます。 最終充填領域ではガス焼け、バリ発生防止の為低速充填とします。 高速すぎる場合はせん断の影響により繊維の折損が多くなることがあります。 |
・保圧 |
ひけ等の外観、反り変形を改善する狙いで、バリ等が発生しない範囲で高めに設定します。保圧時間はゲートシール時間より1~2sec長く設定して下さい。 |
・シリンダー内の滞溜 |
基本的な取り扱いとして、長時間に渡るシリンダー内での滞溜は避けて下さい。 目安として、シリンダー温度290℃で15分以上となる場合は、シリンダー内を空にして下さい。 |
・その他 |
通常のコールドランナー方式金型の場合、射出、計量完了後、射出ユニットを後退させ金型から離し、ノズル温度の低下を防止して下さい(反復成形の実施)。 金型にノズルタッチさせたまま長時間放置させるとノズル先端部温度が低下し、閉塞状態となります。 反復成形ではノズルから樹脂がハナタレしてくる場合があります。この場合、十分なサックバックを取るようにして下さい。 パージ物の処理について、パージ物をそのまま放置すると塊内部の熱により炭化あるいは燃焼することがあります。 |