ポリプラスチックス製品による金属樹脂接合技術の適用提案
ポリプラスチックス製品による金属樹脂接合技術の適用提案 |
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1. はじめに |
エンジニアリングプラスチック(以後、エンプラ)は、自動車部品、電気・電子製品、その他多くの工業製品において金属素材を代替することで軽量化に貢献してきました。今日においては単純に金属素材をエンプラに置換えるのではなく、一部に金属素材を残し、残りをエンプラで置換えるといった金属樹脂複合部材が数多く生産されています。金属樹脂複合部材には、金属素材が持つ特性(例えば高剛性、電気導電性など)とエンプラの特性(例えば低比重、電気絶縁性など)を同時に利用することができる優位点があります。しかし一方で、二つの素材の間には接合界面が存在するため、その接合力や気密性が必要とされる場合には技術的な難易度が高くなります。 金属樹脂複合部材を製造する方法として、従来は単純なインサート成形、またはかしめ、ねじ止めによる物理的な嵌合や、接着剤による接合、ポッティング剤による封止などが行われてきました。ただし、単純なインサート成形、かしめ、ねじ止めでは気密性が得られにくいことから性能面で十分ではないことが多く、また接着剤による接合、ポッティング剤による封止では、部品点数や工程が多くなることからコスト高が避けられませんでした。 これらの問題点を解消するため、2000年以降には金属表面にあらかじめ物理的な凹凸や化学的な親和性を付与した上でインサート成形することで、射出成形のみで金属と樹脂の接合界面に接合力や気密性を付与する技術が登場しました。しかし、本手法では多くの要因(金属部品、樹脂材料、金型構造、射出成形条件など)が接合性に影響を及ぼすため、安定した接合性を得ることは難しく、現状ではまだ量産に適用される事例は多くありません。そこで本稿では射出成形のみで金属・樹脂接合性を得るために注意すべき点について紹介します。 |
パターン① | パターン② | パターン③ | |||||||
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従来技術 | アウトサート成形 接着、ネジ止め |
接着、放熱シート | O-リング | ||||||
金属密着利用の利点 | 外観向上 (強度、意匠性向上) |
機能向上 (放熱性向上) |
新機能付与 (防水性付与) |
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アプリケーション例 |
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図1-1:金属樹脂接合技術によって得られるメリット |
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2. 金属密着成功のポイント |
金属インサート成形による金属・樹脂の直接接合の工程を図2-1に示します。 金属・樹脂の直接接合とは、あらかじめ適切な表面処理を施した金属部品に、射出成形によって溶融樹脂を流し込み、溶融樹脂が冷却・固化した際に金属部品・樹脂が強固に接合した部品が得られる工程です。このような工程では影響因子が多いため、安定した接合を得るためには図2-1に示す全ての要因(金属部品、樹脂材料、金型構造、射出成形条件など)を最適化する必要があります。以下ではそれぞれの要因について注意すべきポイントをまとめました。 |
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2018/05/16 |