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RENATUS(R) PET RH030、RH045のご紹介


機械特性、外観、耐候性に優れた自動車用外装部品向け新グレード
RENATUS® PET RH030、RH045のご紹介



1. はじめに

当社は、2021年4月1日より、PET樹脂製品の商標をFR-PET®からRENATUS®、レナタス®に変更しました。市場や顧客の期待とニーズに応えるため、ポートフォリオの強力な柱として、PET事業を新たにスタートいたします。

今回、RENATUS® PETの新グレードとして、耐候性に優れたRH030とRH045を市場投入いたします。機械特性、表面外観性に優れ、耐候環境下における成形品表面の白化を抑制する効果もあるため(表1)、自動車の外装部品等の用途に適しています(図1)。


図1:想定される用途

表1:自動車用外観部品におけるRENATUS® PET RH030 / RH045の位置づけ

  金型温度 機械特性 耐候性 外観 成形サイクル
PBT  PBT-GF30/GF45 60℃ × ×
140℃
PET  従来材 PET-GF30/GF45 140℃
 RH030/RH045 140℃


2. 耐候性について

RH030とRH045と他社材の平板試験片を用いた、サンシャインウェザー耐候性試験での評価結果を紹介します。図2は、促進耐候性試験時に試験片表面の色を比較評価したものです(L*(+明⇔-暗)、a*(+赤⇔-緑)、b*(+黄⇔-青))。明るさの指標であるL*に着目すると、当社材は他社材に比べて、低い値を維持できており、白化が抑制されていることが分かります。

図3は、図2のL*を測定した試験片の外観写真です。サンシャインウェザー耐候性試験(3000時間)を実施した後、当社材は、他社材に比べて、白化が抑えられていることが目視でも分かります。


※試験規格:JIS D0205 / WAN-1S、ブラックパネル温度:63±3℃

図2:サンシャインウェザー耐候性試験時における試験片外観の色評価



サンシャインウェザー
促進耐候性試験
PET-GF30 PET-GF45
RH030 他社材 RH045 他社材
試験前

試験後

(3,000h)

図3:サンシャインウェザー促進耐候性試験時における試験片外観の比較



3. 優れた外観について

一般に、樹脂は強度を出すためにガラス繊維を添加しますが、これにより成形品の表面外観が悪化します。RH030とRH045もガラス繊維で強化したグレードですが、成形時の金型転写性に優れるために、表面外観の良い成形品が得られます。

図4は成形試験片表面の光沢度を比較したものです。標準PBT-GF30に比べて、RH045(PET-GF45)は、GF添加量が多いにも関わらず、より高い光沢度を得られています。


図4:成形試験片表面の光沢度



4. 高い機械特性について

一般に、PETは、PBTに比べて、機械特性に優れます。図5は、同じガラス繊維添加量のPBTとPETを比較したものです。RH030やRH045は、同じガラス繊維添加量のPBTに比べて、引張り強さ、曲げ弾性率、荷重たわみ温度といった機械特性が高いことが分かります。


図5:PBTとPETの機械特性の比較



5. 終わりに

RH030 / RH045は、耐候性を高めた高強度・高剛性のPET-GF強化グレードです。屋外などの環境に長時間晒されても、従来材に比べて、長期にわたり漆黒性を維持しますので、自動車外装部品に適しています。

ポリプラスチックスでは、引き続き市場ニーズや用途に応じたグレードをお客様に提供できるように開発を進めて参ります。




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2021/11/15