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ラペロス(R) LCP低誘電シリーズ開発と新グレードE420Pのご紹介

ラペロス® LCP低誘電シリーズ開発と新グレードE420Pのご紹介


1. はじめに

私たちの日常生活において、大容量の映像・画像・音楽・音声などのデータを扱う機会が多くなってきています。また、IoTの普及により、今後さらに大量の情報が高速で送受信されることが予想されます。これらの発展を牽引してきたのは、スマートフォンやタブレットPCを始めとする情報通信機器であり、小型・軽量化、多機能化の方向でさらなる進化を遂げています。さらに、自動車に目を向けると、自動運転技術の開発が急速に進んでおり、走行時に得られるセンサーやカメラの情報を瞬時に取得し制御するための、高速伝送部品の適用が増加することが予想されます。このような伝達される情報量の増大と高速化により、伝送信号の高周波・広域帯シフトが進むに連れ、マイクロ波・ミリ波の高周波領域に適応可能な高性能かつ信頼性の高い電子部品への要求が高まっています。

高速伝送部品設計においては良好なインピーダンス整合の確保が重要となり、インピーダンス整合を行う上でケーブルやアンテナ、回路基材となるフィルム、コネクタ部品などの材質の比誘電率を幅広く準備する必要があります。そのため、当社では液晶ポリマー(以降LCP:Liquid Crystal Polymer)が多く適用されるコネクタ部品をターゲットとした低誘電/低誘電正接材料の開発に着手し、今回、低誘電グレードシリーズの皮切りとしてラペロス® LCP E420Pを上市しました。LCPが従来持つ、高い耐熱性、機械特性、耐薬品性を確保しつつ、コネクタ用途に適用できるように流動性、低そり性を実現した新規グレードE420Pならびに今後の低誘電グレードの開発動向をご紹介します。



2. 誘電特性とその測定方法について

一般的にプラスチックは絶縁性の特性を持ち、電気を通すことはありません。しかし、分子レベルで見ると正、負の電荷を持ち、電場の中に置かれた場合に、磁石の様に正極、負極に別れる“分極”という状態になります。“比誘電率”はこの分極のしやすさを表しています。プラスチックに交流信号を与えると、正負の電荷が反転運動を始め、高周波の信号が与えられると分子分極の反転が追従できなくなり、電気エネルギーが熱エネルギーとして消費されます。この電気エネルギーの損失度合いが……


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2018/03/22