PEN STATION
PEN STATION
PEN STATIONは、パイロットが蒐集した国内外の貴重な所蔵品・資料を展示する国内唯一の筆記具ミュージアムです。歴史コーナーのほかボールペンなど、筆記具にまつわる技術概要を展示しており、夏休みには自由研究のテーマとして、小学生が多く訪れるミュージアムとしても知られています。
http://www.pilot.co.jp/service/museum/
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さまざまな筆記具
文字が生まれて数千年。この間、人は、粘土板に楔形文字を彫り付けた芦ペンにはじまり、尖筆(スタイラス)、中世の鵞ペン、近代の金属ペンなどさまざまな筆記具を使い、膨大な知識を蓄積してきました。
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ペンにインキを蓄える
ペンにインキを貯蔵しておこうという考えが出てきます。1809年には、イギリスのフレデリック・フォルシュが、インキの空気交替を考えて、インキを貯めることのできるペンの特許を取得しています。不完全ながらこれが今日の万年筆の原型です。
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万年筆の原理
アメリカのウォーターマンが現在の万年筆とほぼ変わらない機構のものを発明しました。毛細管現象と空気交替を使った仕組みで、液体を送るのは一方通行ではだめで、必ず空気を代わりに入れてやらなければなりません。これが事実上、現在の万年筆の原型と考えられるものです。
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純国産の万年筆を製造
パイロットの共同創業者、並木良輔と和田正雄は貨物船の高級船員でした。 船乗りから商船学校の教授に転職した並木は、授業で使う製図用烏口の性能が良くないため、自らの手で烏口を改良し、特許を取得しました。 特許取得を機に1918年、並木は和田の資金援助のもと、純国産の万年筆を製造する会社「並木製作所」を興しました。和田が経営を、製品の開発は並木が担当しました。
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軸材のエボナイトを採用
天然ゴムに大量の硫黄を加えて架橋硬化させたエボナイトは、強度が高く耐候性、耐薬品に優れており、しかも切削加工できる特徴をもった樹脂です。写真はエボナイト製造に使われた「ろくろ」です。創業まもないパイロットは大正期に漆をエボナイトに塗装する技術を開発し、特許を取得しました。この技術をラッカナイトと呼び、軸材のエボナイトを保護し劣化を防ぐだけでなく、光沢のある美しい万年筆に仕上がります。
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蒔絵万年筆の登場
パイロットは、蒔絵作家で構成する「国光会」という独自のグループをつくり、蒔絵万年筆を海外へ輸出していました。 仕上がりまで工程数が100を超えるため、きわめて高価な蒔絵万年筆ですが、英国ダンヒル社にその品質と蒔絵の美しさが認められ、ダンヒル・ナミキのダブルネーム・ブランドで発売することになりました。2000年以降は蒔絵万年筆のブランド名を「ナミキ」に統一しています。
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戦後初の万年筆
1951年には戦後初めての特殊ペン付万年筆を発売しました。合金ペン、セルロイド軸、ペン先4種で構成されています。
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キャップレス万年筆
インキが乾かないようにシャッター機構を設けたキャップレス万年筆は、パイロットが世界に先駆けて開発したエポックとなった人気のモデルです。1963年の発売当時は「回転式」機構のためまだ両手を使いましたが、1964年には片手でクリックするだけでペン先が出てくる[ノック式]が登場しました。
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消せるボールペン
書いた文字をこすって消すことができる「フリクション」インキを開発。摩擦熱によってインキが透明に変化し、消しカスも出ず、繰り返し筆記が可能なインキです。このインキを使ったボールペンがフリクションボールです。発売8年で10億本という世界的なヒット商品となりました。
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新タイプの万年筆「KAKUNO(カクノ)」
万年筆を何とか復権させたいとの思いから、ペン先以外はすべてプラスチックを使った新タイプの万年筆「KAKUNO(カクノ)」。1000円という価格を抑えた万年筆を実現。発売から1年間で65万本突破するヒットとなりました。