Ｍ90-44の耐グリース性について質問があります。ＡＢＣ株式会社製のＸＹＺグリースのデータはありますでしょうか。また、 それを使用した場合、問題ないかのご回答を宜しくお願い致します。

弊社ジュラコンの特徴の一つに各種薬品に対して優れた抵抗性を示す点が挙げられます。中でも耐グリースに関しましては、高温・長期間の処理においても良好な耐性を示します。今回ご質問のジュラコンM90-44でのＡＢＣグリースのデータはございませんが、参考といたしまして、他のグレードでのデータを紹介いたします。

以上のように高温・長期間においても保持率100%以上と優れた耐性となり、M90-44についても同様の耐性を示すと考えられます。但し、グリースには様々な添加剤を配合したものが多く存在します。添加剤の種類や条件によっては、ジュラコンへ影響（機械物性低下等）をまねく場合もございますので、十分調査の上でのご使用をお奨めいたします。

絶縁破壊強さは、絶縁破壊した電圧を試験片の厚みで除した値で、単位厚さあたりの電圧で表しております。従いましてお客様のお考えのとおり、3mm厚みで16kV/mmの絶縁破壊強さを示した場合、絶縁破壊した電圧は45kVとなります。ここでご注意頂きたいのは、絶縁破壊強さは同一材料でも異なる厚みで測定しますと絶縁破壊強さも変化することです。

厚みの小さい方が単位厚みで換算した絶縁壊強さでは大きくなる傾向にあります。

以下に弊社樹脂材料ジュラファイド1130A6のデータで示します。

※ジュラファイド1130A6の絶縁破壊強さの厚みの影響

このような傾向がありますので、カタログ値を比較される際には、測定された厚みを統一されることをお勧めします。

流動性の観点からは、30mmの長さを流せるために必要な肉厚は、M450-44で0.3mm以上、M270-44で0.4mm、M90-44で0.5mm以上となります。参考として以下のURLをご参照ください。

https://www.polyplastics.com/jp/support/mold/duracon/pom06a.html

一方、いただいたお問合わせの文面からだけでは実際の形状はよくわかりませんので断定はできませんが、インサート成形品とのことから考えると、設計面ではクリープ破壊が問題となる可能性があります。クリープ破壊に対しては分子量の大きいグレード（例えばM25-44など）が有利になります。また、肉厚は厚い方が、クリープ破壊に強くなります。したがって、クリープ破壊の問題が無い形状であれば、M450-44で肉厚を0.3mm以上、クリープ破壊が問題となりそうな形状であれば、M25-44またはM90-44が有効と思われます。

中国でもジュラコンをお使いいただくことは、可能です。次のURLに弊社の販売拠点を掲載しておりますので、最寄の事務所にお尋ねください。

   https://www.polyplastics.com/jp/company/gp/index.htmll

次にカタログですが、下記のURLに物性カタログを掲載しておりますので、こちらをご利用ください。

PDF形式でダウンロードも可能です。

<M90-44>

   http://www.polyplastics.com/Gidb/GradeListSelectGradeAction.do?id=1771

また、お尋ねのグレードは、どちらもジュラコンの標準成形条件で成形が可能です。次のURLに成形条件を掲載しております。

   https://www.polyplastics.com/jp/support/mold/duracon/pom04a.html

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