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  レーザー溶着

■レーザー溶着とはなにか

レーザー光のエネルギーによって二つの成形品を溶着する技術です。ポイントは「レーザーを通す材料」と「レーザーを吸収する材料」の組み合せです。下図をご覧ください。上から照射されたレーザー光は上側の「レーザーを通す材料」は素通りし、下側の「レーザーを吸収する材料」にて吸収されます。その結果、成形品の間で発熱が起こって樹脂が溶融し、二つの成形品が溶着されます。

■レーザー溶着の特徴

☆長所
  • 振動や超音波などの物理的ストレスがないため、精密部品にも応用できる
  • 非接触溶着のため、表面に熱影響・キズ・変形を生じさせない
  • 粉塵やバリなどが出ない綺麗な工法である
  • 最適な加工条件により、高い接合強度、密閉性が得られる
  • ビームサイズを小さくすることで、熱による影響も最小限にできる
★短所
  • 使用できる材料に制限がある(透過性・吸収性材料の組合せで使用しなければならない)

■溶着工程の概略

装置は製品を固定するクランプとレーザー照射装置からなる。
工程は次の4段階。

またレーザー照射の方法は軌跡溶接、同時溶接、マスク溶接の3タイプがある。



■溶着条件

レーザー溶着における設定条件は次の2つです。

(1)レーザー出力
(2)スキャン速度


レーザー出力は樹脂を溶融させる熱量です。スキャン速度はレーザービームの移動速度です。生産性を考えれば、スキャン速度を速くして、処理時間を短くし、その分出力を上げる事になります。しかし出力が高すぎれば吸収性材料側が分解しすぎて変形を起こすこともありますので、このあたりは実際の製品による検証で、最も製品の溶着性能が安定するポイントを探すことになります。

また材料的には次の二つが重要になります。

(3)透過性材料の光線透過率
(4)透過性材料の厚み


材料の溶着は、吸収性材料に届くレーザービームのエネルギー量に依存します。そのため透過性材料側のの光線透過率と厚みは大きな影響を持ちます。光線透過率が高いほど溶着に有利です。厚みも同様に薄いほど有利です。

一例として、溶着強度と、レーザー移動速度、レーザー出力の関係を下のグラフに示します。レーザー出力が高く、移動速度が遅いほど、溶着強度が高くなることが判ります。

 ※材料: M90-44ナチュラル vs M90-44黒



■レーザー溶着と他の溶着方法との性能比較

レーザー溶着は他の溶着方法である、振動溶着や超音波溶着よりも溶着強度が高くなります。
下に超音波溶着、振動溶着との比較結果を示します。

 ※材料: M90-44ナチュラル vs M90-44黒



■溶着部の耐久性

レーザー溶着の耐久性は非常に良好です。ヒートショック(-40℃⇔120℃×30min) 2000サイクル後でも、内圧0.6MPaにて気密漏れが無く、溶着強度の低下もありませんでした。下の例では、スキャン速度を30mm/secまで上げて試験しました。その場合、溶着強度は約半分に低下しましたが、耐久性には問題がありませんでした。