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ここでは、ポリプラスチックスグループの主力生産工場である富士工場における環境負荷低減の取り組みについて、詳しくご紹介します。
PRTR法該当化学物質の排出量・移動量推移
PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)とは、化学物質の工場から環境中への排出量および廃棄物として工場外に移送する量(移動量)を把握し、報告する制度です。日本では、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」が2000年3月に施行され、2001年のデータから調査・報告・公開が開始されました。現時点で、当工場が取り扱っている該当物質は、下表に示す9物質です。当工場では、「排出量・移動量を2011年までに2000年比80%削減」するとの自社目標を掲げ、削減に取り組んでいます。
グラフ中の移動量は、主として生産工程から出る廃プラスチック中に練り込まれて産業廃棄物として処理されるものです。当工場からの移動量は、産業廃棄物の削減活動、PRTR物質を含まない製品の開発、2009年の景気後退による生産量の低下もあって、基準年の2000年に比べて90%以上削減されています。
一方、排出量のほとんどは、ベンゼンとホルムアルデヒドの大気への排出でした。ベンゼンについては、2000年に排ガス処理設備を導入し、90%以上の削減を実現しています。ホルムアルデヒドの大気への排出についても、2007年、2008年に排ガス処理設備を増強し、2009年の景気後退による生産量の低下もあって、50%以上の削減となっています。
2009年は、排出量・移動量の総量でも、2011年目標(80%削減)を上回る85%の削減となっています。
PRTR 法該当化学物質の排出量・移動量の推移
| No. | 当社対象・指定化学物質 | 排出量 | 移動量 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 2008年 | 2009年 | 2008年 | 2009年 | ||
| 1 | アンチモン及びその化合物 | 0.0 | 0.0 | 1.3 | 0.8 |
| 2 | エチレングリコール | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
| 3 | 銀及びその水溶性化合物 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
| 4 | テレフタル酸 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
| 5 | テレフタル酸ジメチル | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
| 6 | ベンゼン | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
| 7 | ホウ素及びその化合物 | 0.2 | 0.1 | 0.0 | 0.0 |
| 8 | ホルムアルデヒド | 5.1 | 2.8 | 0.0 | 0.0 |
| 9 | モリブデン及びその化合物 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
| 合 計 | 5.3 | 2.9 | 1.3 | 0.8 | |
省エネルギー活動・地球温暖化対策
富士工場では、会員である日本化学工業協会(日化協)の「環境自主行動計画」の省エネ・温暖化防止目標に沿って、徹底した省エネルギー活動に取り組んでいます。日化協の省エネ・温暖化防止目標は、1990年を基準とする2010年のエネルギー原単位(生産量1トンあたりのエネルギー使用量)で設定されています。本目標は、2005年に発効された京都議定書の目標達成に貢献するため、2007年にそれまでの10%削減から20%削減に上方修正されました。
同目標を達成するために、当工場では生産プロセスの最適化、高効率電気機器の採用などによる省エネルギーを継続的に実施しています。2005年には、重油を使用していた自家発電設備の一部を天然ガスエンジン・コージェネレーション設備に置き換えました。これらの活動により当工場のエネルギー原単位は、おととしまで日化協目標を上回っていましたが、2009年は景気後退により生産量が一時的に減ったため、15%の削減にとどまりました。
CO2排出量で見ると京都議定書目標( 2008年から2012年に1990年比6%削減)を上回る27%削減となりました。これは、省エネルギー活動の寄与もありますが、景気の影響による生産量の減少も大きな要因です。
エネルギー使用量推移(原油換算)
エネルギー原単位指数(1990年を100とする)
生産に伴う二酸化炭素(CO2) 排出量の推移
- 1990年~2008年は、政府の京都議定書目標達成計画の基準年(1990年4月~1991年3月)に合わせています。ただし、2009年は本報告書の対象期間(当社会計年度)の1月~12月の数値です。
- 当工場は、自家発電設備の総発電量の約半分を東京電力に販売しており、富士市の一般家庭への電力供給の一翼を担っています。このため販売する電気の量に相当するエネルギー使用量とCO2排出量は東京電力での計上となり、グラフから除いています。
廃棄物の削減・再資源化
生産工程などで発生する廃棄物による環境への負荷をいかに低減するかは、社会的にも大きな課題の一つです。当社富士地区(富士工場および研究開発本部)では、2003年以降「ゼロエミッション活動」と呼んで廃棄物の発生量削減と再資源化に積極的に取り組み、大きな成果をあげています。廃棄物の処理方法として環境負荷が最も大きいのは、最終処分(埋立および熱回収を伴わない焼却)です。富士地区では、産業廃棄物発生量に占める最終処分量の割合(ゼロエミッション比率)を1%以下に維持することを目標としています。
これまでの主な取り組みは、次のとおりです。
【発生量の削減】
- 製造工程の様々な改善による樹脂廃棄物などの発生量削減
- 排水処理設備の更新による有機性汚泥の発生量削減(2004年12月稼動)
【再資源化】
- 樹脂廃棄物の販売・再製品化ルートの拡大
- 樹脂廃棄物および副資材類(製品袋など)の燃料・原料向けの用途開発
これらの取り組みの結果、ゼロエミッション比率目標(1%以下)については、2004 年以降6年間継続して達成しています。2009年は、目標を大きく下回る0.1%となっています。一方、廃棄物の発生量については、ここ数年下げ止まっていましたが、2009年は景気後退の影響などもあり、活動基準年の2001年比で59%減少しています。引き続き、ゼロエミッションの維持は当然として、発生量削減にも継続して取り組んでいきます。
産業廃棄物の最終処分比率[ゼロエミッション比率]
産業廃棄物発生量の推移
大気汚染の防止
自社の発電設備からの大気汚染物質の排出量は、主として燃料の使用量・種類・排ガス処理設備の性能に依存します。富士工場では、燃料の使用量を抑えるため、発電効率の向上、生産プロセスの改善に継続的に取り組んでいます。また、排ガス処理設備の性能向上や、よりクリーンな燃料への転換も進めています。具体的には、2000年に高効率の排ガス処理設備を導入しました。これにより、窒素酸化物(NOx)については、排出量を半減させることができました。2005年には、燃料として使用する重油の一部をクリーンな天然ガスに転換しました。近年は、硫黄酸化物(SOx)をさらに削減すべく、設備改造や運転条件の改善を進めています。
これらの取り組みにより、2009年もばいじんを含むすべての大気汚染物質について、法規制値や事前協議値よりはるかに低いレベルを維持することができました。
窒素酸化物(NOx)排出量の推移
硫黄酸化物(SOx)排出量の推移
ばいじん排出量の推移
水質汚濁の防止
工場内で使用した排水(日量1万8,000トン)は、2003年に更新された排水処理設備で浄化し、富士早川に放流しています。放流水による環境汚染を防止するため、酸性度(pH)、有機物質の量(COD、BOD)、浮遊物量(SS)などの様々な水質項目について常に監視し、法規制を遵守しています。さらに、国内で法規制されているすべての有害化学物質の測定も、当社で使用していないものを含め定期的に行っており、すべて基準値以下となっています。
工場出口排水の化学的酸素要求量(COD)の推移
